2020年3月28日(土) ~入居者様向け勉強会オーク豆知識『蜂窩(ほうか)織炎(しきえん)について』~
駅前温泉館では、2ヵ月から3か月に1度のペースで入居者様向けの勉強会を開催しています。
今回のテーマは蜂窩(ほうか)織炎(しきえん)です。
勉強会の一部をご紹介します。
蜂窩(ほうか)織炎(しきえん)とは
皮膚の感染症の一種であり、「蜂巣炎(ほうそうえん)」とも呼ばれます。耳慣れない言葉ですが、実は身近な病気で、40~500人に1人は蜂窩織炎にかかります。
高齢者は基礎疾患を有していることが多く、さらに加齢により様々な全身状態の低下により、感染症の中でも蜂窩織炎や菌(きん)血症(けつしょう)では合併症が多く重篤化する場合があります。
人の皮膚の下には皮下脂肪があり、皮下脂肪の下には筋肉が存在します。この皮膚の層構造の深いところから皮下脂肪にかけて細菌が感染した状態を蜂窩織炎と呼びます。
蜂窩織炎の「蜂窩(ほうか)」は昆虫の「ハチの巣」という意味です。炎症が起きている組織を顕微鏡で見ると、ハチの巣のような形に見えることから名付けられました。蜂窩織炎にならないようにするためには日常生活において気をつけることがあります。また、同様に日常生活に気をつけることで、蜂窩織炎の再発防止にもつながります。
<初期症状>
•皮膚が赤くなる •腫れる •熱感がある(触ると熱い)
•局所の圧痛(触ると痛い)
ただし、中には次のような全身症状が出ることもあります。
•発熱 •寒気とふるえ •関節痛 •倦怠感(だるさ)
<こんな症状は要注意>
①皮膚の変色がどんどん広がっていく。
②皮膚がとにかく強烈に痛い
③水疱(みずぶくれ)ができる
④眼の周りや顔に症状が出る
<こんな人の蜂窩織炎は要注意>
①糖尿病のある人
②免疫不全のある人
③リンパ浮腫のある人
④耐性菌が身体から検出された人
<蜂窩織炎かもしれないと思った場合>
皮膚の感染症なので、皮膚科や感染症科が専門になります。
予防する方法はあるのか?
蜂窩織炎を完全に予防することは難しいですが、感染する可能性を下げることはできます。
感染する可能性を下げるために、皮膚を清潔に保ち、皮膚疾患を治療しておきましょう。
その他にも
・糖尿病の治療をしっかりと行う
・リンパ浮腫が起こりやすい人はマッサージなどを行う
・傷ができたら放置しない
以上のことに気をつければ蜂窩織炎になりにくくなります。
皮膚は強いバリアの役割を果たしており、皮膚表面に細菌が付着しただけでは感染しません。ただ、自分では気がつかない小さな傷から、菌が体内に侵入して繰り返し何度でも感染する場合があります。
菌が傷に付着する可能性を低くするため、手洗いやアルコール消毒などの予防策を徹底して行い、蜂窩織炎から身を守りましょう。
勉強熱心な入居者様に向けて、身近な病気や薬のことについてこれからもこのような勉強会を開催してまいります!!
現在コロナウイルス感染症の拡大も心配されますが、その他感染症等、正しい知識と予防策で乗り切っていけますよう努力しましょう。