2021年8月7日 豆知識「任意後見制度について」
職員それぞれが専門とする分野から、入居者様にとって身近な題材を取り扱う講座「豆知識」。温泉館開設当初から実施しており、これまでに下記の内容を実施してきました。
介護部:嚥下体操について
介護支援専門員:介護保険制度、身体拘束について
看護部:水分制限の必要性について、褥瘡(床ずれ)、熱中症
リハビリテーション部:身体に優しい靴の選び方
栄養部:高齢者に必要な栄養素
などなど……
第48回となる今回は、生活相談員が「任意後見制度」をテーマに実施しました。
任意後見制度は、将来自分の判断能力が低下した時に備えて、予め将来必要となる事務手続き(財産管理や介護保険サービスの契約等)を、自分が信頼できる人にお願いしておく制度です。
本人の代わりに手続きを行う人を、最終的に家庭裁判所が決める法定後見制度に対し、任意後見制度は本人が決めておくことができます。
このため、財産管理等委任契約、見守り契約、死後事務委任契約、尊厳死宣言書、遺言等と併せて「終活セット」とも言われています。
任意後見契約は、始めに公証役場で「任意後見契約公正証書」を作成します。
その後、本人の判断能力が低下した際、本人もしくは任意後見人となる人等が家庭裁判所に申立てを行い、任意後見監督人が選任されて初めて、任意後見契約の効力が生じます。
なお、任意後見契約で任意後見人が代理できる範囲は限られるため、本人の状態や財産状況の変化に合わせて、法定後見制度への移行が必要となる場合があります。
法制度など、日常生活で触れる機会の少ない事柄を理解するのは難しいですね。参加された入居者様からも、様々な質問が出ていました。
希望した方がスムーズに利用することができるよう、今後も分かりやすい説明を心掛けてまいります。
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